ANTIGONE

アンティゴネは、ギリシャ三大悲劇のひとつです。このアンティゴネの演出プランと舞台美術プランが先に朧げに決まっていました。そのデザインミーティングで、私はこの仏教思想をベースにした美しい舞台作品に、どのように衣裳をデザインしようかと思いました。

それは観客の皆さんに等しく起こりうるものとして心に感じて欲しいと思いました。悲劇を悲劇らしく衣裳デザインするのではなく、もう少しニュートラルな存在として、死んだ後に自分たちが向かう世界を想像してもらいたいと思いました。デザインに少しポップさも入れて、これから起こる悲劇にアンティゴネがどう向き合ったか、彼女の力強い生命力を最も効果的に魅せるために、ギャップのようなものが必要だと思いました。
これは、まるで死後の世界の人生を振り返るためのお芝居であるとして、その世界できるユニフォームを着ることで、より個性が見えてくるそんな世界にしてみたいと思い、この衣裳をデザインしました。