top of page
Search

予備校時代

Writer: Kayo TakahashiKayo Takahashi

私は、高校2年の春休みから、美大受験のために、東京の美大専門の予備校に通っていました。とは言っても、私は東北の人間なので、夏休みと冬休みと3学期ほぼ全ての期間に、上京し、予備校の斡旋しているところに下宿していました。


そのころの私は、今振り返りますと、かなり面白かったように思います。笑

本屋で読むカンディンスキーの理論が、異様なくらいに手に取るように納得できるっていう体験をして、まさにそうそう!みたいな、根拠も何もかもすっ飛ばし、ただただわかるって言う「わかる体験」っていうものをした記憶があります。

今読んだら、その感覚はなくなっているかもしれません。

当時は何かが開いていた感覚があります。もしくはある一部の脳機能がハイ状態になっていたのかもしれません。特に何も怪しいことなどしていませんけれども。


その予備校時代に好きだった授業があって、それはイメージ構成でした。

例えばお題が「炎」で、B3パネルに3時間以内でイメージ構成しなさいみたいな授業があるんですね。まだ「炎」とかですとビジュアルとして見えますから、まだいい方で、これが「時間」とか「自分自身」ですとかちょっと哲学的なものになったり、あとはある音楽を聴かされてそのイメージというものもありました。大学受験の科目がこういうことだなんて、夢のようにうれしかったです。実際に私が当時受けた武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科の入試問題は、「人」という文字を使って群衆をイメージ構成しなさいというものでしたし、多摩美術大学の染色科のときには、「自分自身」をテーマにイメージ構成しなさい。というものでした。


そして、今はコロナ禍の中、劇場の閉鎖で予定していた公演もキャンセルになったりしていますが、今できることをしようとして、思い出したのが、このイメージ構成でした。

今は、小川未明の作品「消えた美しいふしぎな虹」という童話を読み、イメージしたものを描いています。いわゆる挿絵では無いようなあり方で、ストーリー自体の持つ雰囲気を色構成したものにしていきたいと思っています。

ではでは今日はこの辺で。



 
 
 

Comments


bottom of page