小川未明の童話「消えた美しいふしぎな虹」という話は、とても悲しく、希望のないお話で、子供に読み聞かせするには、少し躊躇するような内容です。
だけれども、妙に私には、今のご時世にピタリとくるんです。疫病が流行している世の中を、天界にいる悪い姉がゲラゲラと笑い喜ぶようなシーンもあり、洒落になりません。
登場人物は、天界にいる「人の不幸を願う醜い姉」と、「人の幸せを願う美しい妹」が主人公。お互いそれぞれの願いに向けて作業していたが、結局は、妹が「人を幸福にするのは私には無理」とし諦め、姉がますます不幸になるよう頑張るという話。
光の(妹)と影の(姉)バランスが崩れてしまったままでお話は終わり、どうも後味が悪い。それが今の自分とか時代に重なってくる。
どうしたら、光と影、隠と陽のバランスが取れるのだろうか。
そして、この童話の続きを考えるようになった。妹は、なぜ自分の力を信じられずに、下界の人間たちの幸せを諦めてしまったのだろうか。。。
この読後の悶々と考える時間、作者小川未明は、読者にさせたかったのかもしれない。
志は美しく、優しく美しい妹は、ずっとみんなから愛されてきた。でも信念が弱かった。姉は、意地悪で醜く誰からも愛されなかったが、全ての人間を不幸にするという信念は、ものすごく強かった。
ここまで日常で似たような場面、皆さんも見たことあるのではないでしょうか?
もしかしたら、ありがちなパターンともいえるかもしれません。
こういう日常を切り取って、何気にやらかしてる人間たちの弱さをお話の中で浮き彫りにさせているというパターンは、小川未明ならではと言えると思う。
私が今トライしているのは、印刷した横書きのテキストの上から、ストーリーから感じるイメージドローイングを描き、長い横書きの絵巻物のようなものを作っています。それをまずは動画にしてみようとしている。動画編集など初めてで、右往左往しているが、簡単なことから色々できるようになっては、わーーっと喜んでいる。どうなりますことやら。
ではでは。
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