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古着物屋

Writer: Kayo TakahashiKayo Takahashi

私は、大学時代から東京都内の古着物屋さんによく通っておりました。

素敵な着物たちが、格安で売られていまして、それは実際着られるような物もあれば、もう繊維が摩耗してるところもあり、着れないけれども、リメイクして人形の衣裳にするだとか、バッグにするだとかして、再利用するための着物もありました。


当時の私は、お気に入りの古着物屋さんが何軒かあり、念入りに店内の着物たちをみておりました。お店によって、買い付けてくる人の特徴があり、何度も通ううちに店長さんの想いも伝わってくるようで、楽しかったです。


そこで買い集めた着物たちを、部屋で何度も眺めては、うっとりとしていました。

ある日、演出家の希望で、古着物たちをリメイクして、衣裳を作ることになりました。当時から、舞踏の人たちは、舞台で古着物をリメイクしたものを舞台で着ていたので、その感じはよく知っておりました。


大好きな古着物を使って衣裳が作れるのは、本当にうれしかったです。

最初は、ただただ実験的に、パンクっぽい要素と古着物を合わせたり、

古い鯉のぼりを開いて、衣裳に作り変えたりしました。


そのうちに、海外公演をすることが多くなり、そこでの海外でのお客様の反応をみて、思っている以上に、とても日本の文化に興味を持っていると言うことがわかりました。ですので、そこから少し方向性を変えていこうと思い始めました。と言うのも、なんだか自分のデザイン性が云々ではなくて、日本の文化、色彩、雰囲気が素晴らしいのであって、そこに簡単さを覚えてしまったからです。easyな感じがしたのです。「古くからある素晴らしい日本文化を取り入れましたー。お好きですよね?きれいですよね。間違いなく。」といえば極端ですが、海外に挑戦する時は、それは振り切っていないような気持ちがします。もちろん、それを極めてとことん突き詰めてやられている諸先輩方のお仕事は素晴らしいと思いますし、自分は大尊敬しておりますが、自分は違うタイプの衣裳がやりたいなと思いました。


そこから、色々試行錯誤しながら、毎回みたことないドアーを開けるように衣裳プランを練っているように思います。この作品の演出プランや美術プラン、役者の動きと、自然と絡み合うような衣裳でありたいです。自分が古着物が好きだから使っていますということではなくて、もっと自分がドアを開けた先に見えてくるものの方に、魅力的な融合が待っているような気がします。ではでは また。



 
 
 

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