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Antigone episode 1

Writer: Kayo TakahashiKayo Takahashi

Updated: Jun 29, 2020

2018年の夏に『アンティゴネ』というギリシャ神話のための舞台衣裳をデザインをしました。その作品は、フランスのアヴィニヨン演劇祭での公式プログラムのオープニング作品として参加させて頂きました。


その年のアヴィニョン演劇祭の「顔」となり大きな責任を担う法王庁中庭でのオープニング作品に、アジア圏の劇団が選ばれるのは71年間の演劇祭の歴史上初めてのこと。。。とのことで、作品の核となる美術プラン演出プランのミーティングも1年前から念入りに始まりました。


装置のデザインプランが、床面にお水をはるというプランで、仏教思想を元に、天界をイメージしたものになりました。


それまでは、衣裳が強いビジュアルで引っ張っていくような作品を作らせていただくことが多かったし、もちろん、幸運にも、そのビジュアルの出し方と演出家のプランが不思議とバランスが取れるという相性のよさや、衣裳が強めのビジュアルだからこそできる役者の存在の仕方が相乗効果が生まれてゆくような幸せな瞬間があり、私はとても恵まれた環境でやらせていただいていました。


ただ、自分の中では、自己表現ありきだとか、派手なプランにしてみんなを驚かせたいというようなことではなくて、それは演出ありきのことだったのですが、そういう衣裳の出方ではない衣裳の存在感というものに、日頃から興味を持っていました。ですので、アンティゴネでは、衣裳の立ち位置としては、ちょっと控えめだけれども美しく印象に残り、演出とのバランスが取れ、装置にスーーーっと馴染むというようなゴールを目指していくことにしました。

 





 
 
 

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